チベット族は全人民が信教する民族であるので、葬式が極めて濃い宗教色を備えている。
地理環境によって、木里チベット族の地区では火葬と水葬が主になっていて、広野へ運ばれた死体が鷲などに食われるという方法で死体を処理する場合が少ない。 活仏と品格が高く声望がある人だけ、死後塔に埋葬される。
しかし、死者の誕生日と十二支によって、高僧が葬儀と出棺の日を占うという共通点がある。
普通、各村には共同墓地がある。会葬するとき、ラマに死者の霊魂を慰めてもらわなければならない。家族と親戚が死者を四十九日も哀悼する。
この四十九日の間に、親戚と友達がお酒を一本、哈達を一枚、バターを一塊、米或いは小麦粉を何斤、或いは牛、羊を持って死者の家へ来て哀悼する。親戚と友達が死者に哈達を捧げ、一部分の溶けたバターをバターランプに入れ、ほかのバターとほかのものを死者の家族に贈る。
哀悼の間、死者を悼むために,顔を洗い、髪を梳かし、新しい衣服を着、装身具を嵌め、笑い、大声で話し、歌を歌い、踊りを踊り、結婚することなど、家族がしてはいけない。
当地では、家族が死者に髪を梳かし顔を洗い、柏葉の水で体を洗う。
その後、死者に新しい衣服を着、帯で死体を縛り、白い布で死体を包んでから、死体を座らせ、木の板で死体を支え、木製の枕で死体の両端につっかいをする。その後、死体を部屋の角に置く。死体の前で机を置き、バターランプをつけ、机にご飯、何塊の豚の脂身、一椀のバター茶、一椀の黄酒などを置く。死体を一日間家に置く地方があれば、死体を三日間から五日間まで家に置く地方もある。五十日間も死体を家に置く地方もある。
死体が家に置いてある間に、ラマに葬式の期日と葬式の方法を占ってもらう。その後、家族と親友を知らせる。同村の各家の主人公が出棺の儀式に参加する。出棺の儀式が終わった後、死者の家族がお酒と肉で会葬に来た人を労う。
当日の夜、死者の家族が「翰帰」に鬼を追い払ってもらう。また、銃を打ち、部屋を掃除し、家から離れた所までごみを捨てるべきである。また、家族は死者の霊魂が早く昇天するために済度する。七日間に一回済度を行う。 全部で七回済度する。済度するとき、僧侶にお経を読み、法事をしてもらう。七回目の済度のとき、盛大な祭祀を行う。済度の間に、昼夜でもバターランプがつけてある。
多くの人家が四つ辻或いは大通りの側で、石で積もる。その積もったものが麻経石堆と呼ばれていて、塔のような形をしている。また、死者の家の周りと墓地で木製の竿を挿し、竿に五彩で布製の旗をかける。つまり、「達九」と通称されている。
木里チベット族区域では、火葬、水葬が普通で、土葬、塔葬が少ない。
当地に鷲などがいないので、死体を野外へ捨てる習俗がない。それらの葬式がほかのチベット族区域のと大体同じである。歴史の発展、社会の変革、民族文化と地理環境によって、民俗が次第に変わっていく。
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